新しい生活が始まる前は、この先の未来が楽しみで仕方ない!という明るい感情が多いはず。ですが、そんな中でも常についてまわって来るのが、お金の心配ですよね。
お金は心配だけれどどうしても引っ越さなければならない、という人もいるのではないでしょうか。
一人暮らしを始めるのに必要な資金の相場は、平均して50万円程と言われています。しかし、家賃などの条件は人それぞれ違うので、実際のところ本当に足りるのかどうかが1番の不安材料かと思います。
ということで今回は、これまで数々の引越しを経験してきた筆者が、引越しは50万円以内に収めることができるのか、何にいくらくらいかかるのか、そして安くするにはどうすれば良いのかを、詳しく解説していきます!
引越し資金の内訳は?内容を詳しく解説!
まず結論から言うと、一人暮らしでの引越し資金は、50万円あればなんとかなる場合がほとんどです。
この引越し資金と言われるものの構成は、一般的には以下のようになっています。
- 旧居の退去費用
- 初期費用
- 引越し費用
- 家具・家電代
- 引越し後の生活費
これら全てを合わせた金額が、平均50万円と言われているのです。
ここからは、この内訳の中身をひとつひとつ解説していきます。
旧居の退去費用
現在賃貸で住んでいる家がある人は、引越しに伴って解約するとなった時に、退去費用が必要な場合があります。
旧居の退去費用の相場は、平均で50,000円前後。大きさや居住年数によってかなり変動があるので、不安な場合は100,000円程用意しておけば、問題ないでしょう。
内訳 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
退去費 | 退去する際に払わなければいけない費用。基本的には原状回復やクリーニング費にあてられるものなので、綺麗に使っていれば請求されないことも。 | 50,000円前後※物件の大きさなどにより異なる |
修繕費/清掃費 | タバコのヤニ汚れや明らかな掃除不足による汚れ、ペットによるキズなど、借主の不注意で発生してしまった汚れやキズをなおすために請求される費用。 | 0円~※部屋の状態により異なる |
違約金 | 契約期間より早く退去する場合に、請求される可能性のある費用。 | 家賃の1、2ヶ月分 |
退去時にかかる費用は、基本的に綺麗に使っていれば請求されないことがほとんどです。
しかし、契約書に記載されている場合などは、契約書にサインを書いた時点で、退去時にお金がかかることを了承していることになるので、支払わなければならない可能性があり、注意が必要です。
また、悪徳な不動産会社などは、修繕費・清掃費・クリーニング費などという名目のものに対し、なにかと理由をつけて多く請求してくることがあるようです。なので、綺麗に使用していたにも関わらず、明らかに不当な請求をされたという場合には、有識者に意見を求めることをおすすめします。
何より、このような費用をなるべく請求されないように、日頃から掃除を心がけ、退去時の掃除は徹底して行うようにしましょう。意外にも退去前の大掃除は、道具や洗剤などにお金がかかるので、こちらも事前に計算できれば安心です。
初期費用
物件の契約時に必要な初期費用の相場は、家賃の4か月〜6か月分と言われています。
以下が、その初期費用の内訳です。
内訳 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
仲介手数料 | 物件を紹介してくれたお礼として、不動産屋さん等に支払う費用。 | 家賃の1ヶ月分+税 |
敷金 | 家を借りる際に、大家さんに対して預ける担保の役割となる費用。家賃の滞納や、部屋の修繕などが無ければ、退去時に返金される。 | 家賃の1、2ヶ月分 |
礼金 | 大家さんに対し、お礼として支払う費用。 | 家賃の1、2か月分 |
前家賃 | 入居する次の月の家賃。 | 家賃の1か月分 |
日割り家賃 | 入居した日からその月の月末までにあたる、数日~数週間分の家賃。 | ※入居した日により異なる |
管理費・共益費 | 物件の共同スペースの管理や、物件全体の管理を行ってもらうために支払う費用。 | 家賃の5〜10% |
賃貸保証料 | 物件の契約時に保証会社へ加入する場合、必要となる費用。保証会社というのは、家賃が支払えなくなった場合などに立て替えをしてくれる会社のこと。※一般的には保証会社への加入ではなく連帯保証人を求められる。 | 家賃の50%〜100% |
火災保険料 | 物件の契約時に火災保険へ加入する場合、必要となる費用。火災保険というのは、火災、台風や大雨などの自然災害、盗難などによって受けた被害を補償してくれるもの。 | 年間5000円~10,000円 |
鍵交換代 | 物件の鍵とその鍵穴を交換する作業に当てられる費用。 | 10,000円~20,000円 |
消毒代/害虫駆除代 | 入居前の物件に対して消毒や害虫駆除を目的とした作業をする場合に当てられる費用。 | 20,000円前後 |
その他(駐輪ステッカー代、サポート代等) | 自転車に貼るステッカー代や、鍵をなくしたり何かトラブルがあった時に助けてくれるサポートサービスの加入費など。 | ※基本的に任意のものが多く、相場は物件により異なる |
引越し費用
一人暮らしの引っ越し費用の相場は、大体50,000円前後と言われています。
以下は、引っ越し費用の内訳です。
内訳 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
基本料金 | 家具や荷物の運搬、荷物を梱包する段ボール代、トラックの手配など、基本的な引っ越し作業にかかる料金。 | 50,000円前後※時期や距離により異なる(ここに記載しているのは通常期の相場です。繁忙期についてはのちほど解説します。) |
オプション料金 | 荷物を運ぶ以外のこと(部屋の掃除、洗濯機の取付などの電気工事、ピアノの搬送、不用品処分等)をしてくれる料金。 | ※内容や業者により異なる |
交通費 | 引っ越す人自身の交通費。 | ※移動距離により異なる |
オプションが必要ない場合以外は、基本料金の下調べだけで問題ないかと思われます。
ただ、基本料金の時点で引っ越し業者さんごとにかなり差があるので、いろんな引っ越し業者さんの下調べや、場合によっては相見積もりなども利用するのをおすすめします。
また、意外と盲点なのが交通費。同じ県内や近場であればあまり気にならないかもしれませんが、少し遠くへ引っ越すとなると、人間が移動するだけでもお金がかかってしまいます。遠方への引っ越しには宿泊費が必要な場合もあるので、あらかじめ頭に入れて計算しておきたいところです。
家具・家電代
実家からの引っ越しや、家具家電を一新しての引っ越しの場合必要となるのが、新しい家具や家電たち。
家具家電を一式揃えるのに必要な費用の相場は、平均で100,000円~200,000円と言われています。
引っ越し直後の生活費
意外と見落としがちなのが、引っ越した直後の生活費。一人暮らしの生活費(引っ越し直後)は平均で月50,000円前後と言われています。
この他に、交際費や娯楽費などを入れるともう少し高くなりますが、今回は生活する上で絶対に必要になる費用に絞って、解説していきます。
内訳 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
食費 | 自炊や外食、おやつなど、食べ物全般の費用。 | 月40,000円弱 |
交通費 | 通勤通学、その他移動にかかる費用。 | ※それぞれにより異なる |
通信費 | スマホ代や、Wi-Fiにかかる費用。 | スマホ代:5000円前後Wi-Fi代:5000円前後 |
消耗品費 | トイレットペーパー、ティッシュ、ゴミ袋、各種洗剤等、使用することで減っていくものの費用。 | 月5000円前後 |
水道光熱費 | 水道代、電気代、ガス代等、生活で必要なエネルギーを使用するための費用。 | 0円※基本的に使用した次の月に請求が来るので、契約した月には請求がない |
引越し費用は繁忙期だとかなり変わる!
まず、一般的な引っ越し業者の繁忙期というのは、以下の期間のこと。
- 引っ越し業者の繁忙期
- 新生活に向けた3月~4月
- 人事異動が行われる9月~10月
この繁忙期となる期間は避けたほうが良い、というのをわかってはいても、実際にどのくらい料金が上乗せされてしまうのかを知らないと、なぜそこまでして避けるべきなのかがイマイチわからないですよね!
ここでは、単身での引っ越し費用を距離別に解説しているので、ご自身にあてはまるものを確認してみてください!
【単身】繁忙期の引っ越し費用の相場
距離 | 相場 |
---|---|
15km未満(同じ市町村区内くらい) | 40,000円前後 (※通常期だと30,000円前後) |
15km~50km未満(同じ都道府県内くらい) | 50,000円前後 (※通常期だと40,000円前後) |
50km~200km未満(同じ地方内くらい) | 60,000円前後 (※通常期だと50,000円前後) |
200km~500km未満(近隣地方くらい) | 70,000円前後 (※通常期だと60,000円前後) |
500km以上(別地方などの長距離) | 80,000円前後 (※通常期だと70,000円前後) |
一人暮らしの引っ越し資金を節約するポイントは?
ここからは、数多くの引っ越しを経験してきた筆者がおすすめする、引っ越し資金を抑えるポイントやコツを、デメリットも合わせて解説していきます!
引っ越し業者の費用を節約するコツ
“業者によって値段がかなり変わる”というのは、引っ越しをしたことがない人でもなんとなく知っているのではないでしょうか。そのため「一番安そうなところにしておけば安心なのでは?」と思う人もいるかもしれません。
ですが、それ以外にも知っておくと節約になるコツが沢山あるんです!
引っ越し業者を比較するなら引越し侍!
(引用元:引越し侍)
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繁忙期を避ける
少し前のところでも解説しましたが、引っ越し屋さんにも繁忙期があり、その期間に引っ越すとなると、通常の値段よりかなり高額になってしまいます。引っ越しの時期を自由に決められるのなら、繁忙期はできるだけ避けたいところです。
- 引っ越し業者の繁忙期
- 新生活に向けた3月~4月
- 人事異動が行われる9月~10月
時間指定をしない
ほとんどの引っ越し業者さんが導入しているのが、時間指定をしないプラン。予約の時に日程だけ決めておいて、時間は前日に決定します。時間指定ができない分お安くなるので、可能な限りこのプランで契約するのがおすすめです。
ただ、前日に「〇時~〇時の間に伺います」と連絡があるため、少々スケジュールが組みにくいのがデメリット。筆者の場合は「14時から18時の間に伺います」と言われ、間が4時間もあったために当日になっても予定が決められず、かなり行動しづらかったことがありました。ですが、お安く引っ越しを済ませられたので、筆者は大満足でした。
相見積もりをする
相見積もりというのは、複数の業者に見積もりを依頼し、それぞれの値段を比較することです。何社も来てもらうことで選択肢も増えるため、絶対にやっておいて損はないと思います。
しかし、値段だけで比較すると後で後悔する可能性もあります。もちろん、安くて質の良い業者さんは多いのですが、中にはとても雑な仕事をする業者さんも。
筆者が安さで決めた時は、見積もり時の営業さんがとても良い方に見え、問題なさそうに感じていたのですが、引っ越し当日に来た作業員さんが少々雑でヒヤヒヤさせられました。
安いところはダメ!というわけではありませんが、高いところはやはり、それなりに荷物を大切に扱ってくれるイメージがあります。値段だけに囚われず、サービスの質も見極めることが重要です。
できる限り荷物を減らす
荷物の量によっても、引っ越しの料金は変動します。なので、可能ならばできる限り荷物を減らしましょう。
引っ越しを機に断捨離をしてみると案外すっきりしますし、軽やかな気持ちで新生活を始められますよ!
知り合いに手伝ってもらうか、自分たちでやる
究極の節約は、引っ越し業者に頼まないことです。
頼れる知り合いがいる人は、引っ越し作業を友人や知り合いに頼むのも、一つの手です。難しそうに思えますが、男友達や、女の子でも複数人集まれば、案外自分たちで引っ越し作業はできてしまうもの。
必要経費は、レンタカー代と、手伝ってくれた仲間にお礼としてご飯を奢る代金、程度で済むでしょう。
ただ、素人の引っ越し作業は、けがをする恐れや壁や床にキズをつけてしまうなど、様々な危険が伴うので、無理はせずに行ってください。
不動産会社の費用を節約するコツ
不動産会社で物件を契約するときに支払う費用は、基本的に支払うべきで、どうしようもない費用ばかりだと思っていませんか?ここにも意外と節約のコツがあるので、最後まで確認してみてください!
繁忙期を避ける
実は不動産会社にも繁忙期があり、家賃の値段が上乗せされていたりするんです。もし、好きなタイミングで引っ越しを決められるのであれば、繁忙期は避けてお部屋探しをしてみてください。
- 不動産会社の繁忙期
- 新生活前の1月~3月
- 転勤シーズンの9月~10月
ただ繁忙期だと、みんなが引っ越しを希望するので、部屋の空きも出やすくなり、希望する条件のお部屋が見つかりやすいというメリットがあります。ですが、繁忙期はもはや部屋の取り合いです。悩んでいる間に別の人が入居してしまったり、前の住人がまだ退去していないタイミングが多いので、内覧ができないといったケースも多々あります。
メリットとデメリットをしっかり知った上で、お部屋探しをしていきましょう。
不動産屋さんに相談、交渉する
一番簡単に費用を節約できるのが、不動産屋さんへの交渉です。敏腕の営業マンが多い不動産業界なので、大家さんへの交渉もうまく進めてくれる担当者さんも多いので、一度相談してみることをおすすめします。
交渉が次第でお安くなる可能性のある初期費用
- 仲介手数料
- 法律で定められた上限(家賃の1ヶ月分+税)はあるものの下限はないため、交渉が可能。
- 礼金
- 大家さんに対するただのお礼なので、交渉が可能。まずは不動産屋さん経由で交渉することがおすすめ。
- 消毒代/害虫駆除代
- そもそも入居者の任意とされている場合があるので、必要性を感じなければ断ることが可能。
- その他
- 任意で加入を求められるサポートサービスなどは、必要性を感じなければ断ることが可能。
分割払いに対応している不動産会社を探す
中には、初期費用を分割払いさせてくれる不動産会社もあります。引っ越しにはかなりまとまったお金が必要になるので、分割できるのならとてもありがたいですよね!
しかし、不動産会社が対応していても、物件によっては大家さんが分割払いをOKしてくれないパターンがあります。さらに、指定のクレジットカードしか使用できない、分割払いだと手数料がかかってしまう、物件の選択肢が少なくなってしまう、などのデメリットも。
お部屋のクオリティやお財布の状況などを合わせてしっかり確認し、検討しましょう。
相場をしっかり調べてから行動
引っ越しする上で、一番大切なのが下調べです。不動産屋さんも引っ越し業者さんも、基本的には良い業者が多いかと思いますが、中には悪徳業者と言われるところも存在します。
そんな業者と出会ったときに相場を知らないと、自分がぼったくられているかどうかの判断がつかず、高額な費用を払わされてしまうことも。それを防ぐためにも、事前にどのくらいの値段が妥当なのか、調べておくことが重要です。
50万円以内でも引っ越せた!実際のケースを紹介紹介
筆者は、実際に50万円以内で引っ越せた経験があります。
その時の主な節約ポイントがこちら!
- 家賃が安め(40,000円)
- 引っ越し業者に依頼せず、知り合いの手を借りた
- 家電をまとめて購入した
- 家具は元々使用していたものを再利用
まず、そもそも家賃の約6か月分が初期費用の相場と言われているため、家賃が安ければ安いほど、必然的に初期費用が安くなるのです。なので、家賃が4万円だったこの当時かかった初期費用は、30万円以内だったかと思います。
次に、知り合いに頼んで車を出してもらい、自分たちで荷物を運ぶようにしたので、引っ越し費用をゼロにできました。こちらはかなりの節約になりとても助かった記憶があります。
さらに、家電については数点まとめて購入したので、通常より安くしてもらえました。冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、こたつで、10万円ほどだったかと思います。家具は元々持っていたものをそのまま使用することにしたので、買い直したものはほとんどありませんでした。
また、引っ越し後も自炊を心がけるようにしたり、移動には主に自転車を使用していたので、生活費もかなり抑えられていました。
このような工夫の結果、トータルで45万円ほどの資金で引っ越すことができたのです。
節約しながらお得に引っ越そう!
引っ越しというのは、どうしてもまとまったお金が必要になります。ですが、工夫次第でうんと安くすることも可能なのです。
ただ、安いからという理由で全てを決めてしまうと後々後悔することにも繋がるので、お金をかけるべきところとそうでないところをしっかりと見極めた上で、お得な引っ越しを検討してみましょう!